
Kindle出版をAIで作れるか、コンテンツ販売者が見た境界線
Kindle出版でAIを使えるかと聞かれたら、答えは「制作は助けてくれても、届ける部分は助けてくれない」です。私はKindle出版の経験はありませんが、コンテンツ販売でAIの利用料に30万円以上払ってきました。この境目を、実例からお伝えします。
Kindle出版でAIは使えるのか
検索でここに来た人は、AIを使ってKindle出版ができるかを知りたいはずです。答えは、作業の一部はAIに任せられて、一部は任せられません。
私はKindle出版をしたことがありません。ただ、コンテンツ販売の累計売上は2.5億円あり、AIを使ってきた立場から境目はお伝えできます。
AIに任せられる作業と任せられない作業
先に表にまとめます。Kindle出版に置き換えても、線引きの構造は同じです。
| 作業 | AIに任せられるか | なぜ |
|---|---|---|
| 構成案・目次案の作成 | 任せられる | たたき台を出す作業は反復に近いため |
| 下書きの文章作成 | 任せられる | 文章量産の速さはAIが上回るため |
| タイトル・キャッチコピー案の量産 | 任せられる | 案を大量に出す作業に向いているため |
| 表紙や図解のアイデア出し | 任せられる | 指示すれば形が出てくるため |
| ジャンル選定・読者ニーズの見極め | 任せられない | 市場の空気は数字だけでは読めないため |
| 発売後に読んでもらう導線づくり | 任せられない | 読者との接点は積み重ねでしか作れないため |
| 売れない原因の特定 | 任せられない | 配信面や属性の見立ては人の判断が要るため |
表の下半分は、判断そのものが仕事だからAIには置き換えられません。
なぜ「届ける」部分はAIに任せられないのか
AIは過去のデータから答えを作ります。次に何が読者に響くかまでは、AIも決められません。
タイトル案をAIに任せても、一般的に良いとされる型が出るだけです。今その市場で何が求められているかは、AIには分かりません。
Kindle出版でも同じ構造だと考えられます。本を出したあとにどう見つけてもらうかは、著者自身の判断が要ります。
AIの利用料に30万円以上払ってきた実例
私はAIの利用料だけで、30万円以上払ってきました。使うほど増えていく種類の費用です。
記事作成や構成案づくりのツールを、複数まとめて契約してきました。常に何かしらのAIツールを動かしている状態でした。
「初期費用はほぼゼロ」と書かれた記事も見かけますが、私の実感とは違います。仕組みにするまでの投資は、思っていたより大きくなりました。
Kindle出版でAIを使う場合も、無料の範囲だけで完結するとは考えにくい金額感です。事前に知っておいたほうがいい数字です。
表示回数106回だった実例から分かること
自動化しても、成果が出るとは限りません。私は別の媒体で、記事を59本書いたことがあります。
表示回数は合計106回でした。1本あたりに直すと、2回にも届きません。
量産できることと、読まれることは別の問題でした。原因は文章の質ではなく、タグ設定と媒体にもともと読者がいなかったことでした。
Kindle出版も、出版できることと売れることは別のはずです。書く工程を速くしても、見つけてもらう工程は別に用意する必要があります。
AmazonのAI利用に関するルールについて
AmazonにはAIで作ったコンテンツの扱いに関する規約があります。ただ、条文や基準は変わる可能性があるため、この記事では具体的な数字や条文には触れません。
最新のルールは、必ず公式サイトで確認してください。私がお伝えできるのは規約の中身ではなく、AIとの付き合い方の実感です。
AIとの付き合い方でもう一つ言えること
私が使っているASPの一社ぶんでは、2021年5月から2026年5月までの5年間の記録があります。アクセス16,993に対して登録1,228、登録率7%でした。
数字を集める作業自体はAIで速くできても、この登録率を作ったのは配信面の選び方と続けた期間です。Kindle出版で言えば、原稿を速く作れても、読者に届く場所を選ぶ判断は自分でやるほかありません。
Kindle出版でAIを使うなら最初に何をすべきか
ここまでの内容を、始める前に見るべき3点としてまとめます。
- 任せる作業と任せない作業の線引き:表に沿って、判断が要る部分は自分の手元に残してください。
- かかる費用の見立て:私はコンテンツ制作だけで30万円以上かかりました。初期費用ゼロを前提にしないでください。
- 届ける導線があるか:59本書いて106回だった経験から、出したあとの導線を先に考えてください。
Kindle出版の経験がなくても、コンテンツを売ってきた立場からはこの3点が見えます。 まずは、この3つを自分の状況に当てはめて確認するところから始めてください。